財閥御曹司は、深窓令嬢に一途な恋情で愛し尽くしたい。
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お風呂から出た私は、浴室から微かに聞こえるシャワー音にドキドキしていた。落ち着かなくてバスローブのリボンを何度も結び直していると、浴室のドアの空いた音が聞こえてすぐベッドにやって来る。
「愛百合ちゃん、お待たせ」
「あ……葵さん、はい。お、おかえりなさい……」
「うん、ただいま。愛百合ちゃん。隣に座っていい?」
「……はい」
葵さんは隣に座ると、私の頬に優しく触れて微笑んだ。