僕、先輩とキスがしたいです。
ーー《大丈夫ですか!?》
人形に駆け寄る(呼びかけをする)ゆうちゃん。

ーー《意識なし……!》
人形に顎クイ(気道確保)をするゆうちゃん。

ーー《紗知……っ、ゆうちゃんが、き、き、き、キスしてる!!》
人形にキス(人工呼吸)をするゆうちゃん。


そうだ……。

私はあの日、力強く人形の唇にキスをするゆうちゃんを見て、思ったんだ……。

ゆうちゃんは、
あんな情熱的に……
キスをしてくれるんだ…。と。

ーー《あの人形許すまじ!》

妬みを抱え、時には、
人形に嫉妬する事もあった私。

そうだ……。

私、今!猛烈にゆうちゃんと……

















​─────キスがしたい​─────



湧き上がってくる気持ちは……これだった。

ゆうちゃんの肩にそっと手を置く。

「……分かった。しよう」

もう片方でゆうちゃんの頭の後ろに手をやり、そっと引き寄せる。

「え?せんぱっ……んっ」

「…っ、」





















ファーストキスは……

ピーチの味だった​───────。

【終】
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