公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。
端から見るには(エルーズ視点)
僕は、ルネリアとケリー、そしてサガード様とともに話していた。
といっても、僕はあまり喋っていない。三人の会話を見守っている時間の方が、恐らく多かっただろう。
「ルネリアは、幼い頃は僕の後ろをいつもついて来ていたよね……」
「うん。ケリーのこと大好きだったもん。あ、今も大好きなのは変わっていないよ」
「そ、そうだったのか……」
その会話を聞いていると、見えてくるものがある。この三人の関係というものは、案外複雑なことになっているようだ。
「だ、大好きか……」
まず前提として、サガード様はルネリアに好意を寄せているらしい。
以前二人を見た時も、そんな感じはしていたが、今日改めて確信できた。彼はまず間違いなく、ルネリアのことが好きだ。
「ルネリアは、そういうことを平気でいうよね」
「え? どういうこと?」
「大好きだとか、そういうことを言うのは、恥ずかしかったりしない?」
「……うん、別に恥ずかしくないよ?」
「ぐぬぬ……」
そして、サガード様はケリーのことを男の子だと思っているようだ。
先程から、彼は彼女に対して少し警戒しているような節がある。それはきっと、ルネリアに近しい男の子だと思っているからだろう。
どうやら、ケリーのあの格好は普通の人からは男の子だと思われるような恰好のようだ。僕は、ここまで来て改めてそれを理解していた。
「ふふ、ルネリアは変わっていないみたいだね」
「ケリー、私が変わっていると思ったの?」
「うん、少し思っていたんだ。だって、貴族というと平民とはまったく違う暮らしになる訳だし、少しは変わっているかもしれないって、思っていたよ」
「そうだったんだ……それなら、安心してもらえたかな?」
「うん、安心したよ」
ルネリアの言葉に、ケリーは笑顔を見せていた。
その笑顔は、可愛らしい笑顔だ。どう見たって、女の子である。
しかし、サガード様はそうは思わないらしい。ルネリアと仲の良い男の子が輝かしい笑顔を浮かべている。彼にとっては、今の笑顔はそういう悶々とした状況であるようだ。
「ふふっ……」
「な、なんだよ……」
「いえ、なんでもありません」
そんなサガード様の様子を、ケリーは少し楽しそうに眺めていた。
どうやら、彼女はこの勘違いをわかっていて、訂正していないようだ。
なんというか、彼女も中々いい性格をしている。王族に対して、そんなことをするなんて、中々できることではないだろう。
そう思いながら、僕は自然と笑顔を浮かべていた。端から見ている分には、中々面白い状況だと思ったのだ。
といっても、僕はあまり喋っていない。三人の会話を見守っている時間の方が、恐らく多かっただろう。
「ルネリアは、幼い頃は僕の後ろをいつもついて来ていたよね……」
「うん。ケリーのこと大好きだったもん。あ、今も大好きなのは変わっていないよ」
「そ、そうだったのか……」
その会話を聞いていると、見えてくるものがある。この三人の関係というものは、案外複雑なことになっているようだ。
「だ、大好きか……」
まず前提として、サガード様はルネリアに好意を寄せているらしい。
以前二人を見た時も、そんな感じはしていたが、今日改めて確信できた。彼はまず間違いなく、ルネリアのことが好きだ。
「ルネリアは、そういうことを平気でいうよね」
「え? どういうこと?」
「大好きだとか、そういうことを言うのは、恥ずかしかったりしない?」
「……うん、別に恥ずかしくないよ?」
「ぐぬぬ……」
そして、サガード様はケリーのことを男の子だと思っているようだ。
先程から、彼は彼女に対して少し警戒しているような節がある。それはきっと、ルネリアに近しい男の子だと思っているからだろう。
どうやら、ケリーのあの格好は普通の人からは男の子だと思われるような恰好のようだ。僕は、ここまで来て改めてそれを理解していた。
「ふふ、ルネリアは変わっていないみたいだね」
「ケリー、私が変わっていると思ったの?」
「うん、少し思っていたんだ。だって、貴族というと平民とはまったく違う暮らしになる訳だし、少しは変わっているかもしれないって、思っていたよ」
「そうだったんだ……それなら、安心してもらえたかな?」
「うん、安心したよ」
ルネリアの言葉に、ケリーは笑顔を見せていた。
その笑顔は、可愛らしい笑顔だ。どう見たって、女の子である。
しかし、サガード様はそうは思わないらしい。ルネリアと仲の良い男の子が輝かしい笑顔を浮かべている。彼にとっては、今の笑顔はそういう悶々とした状況であるようだ。
「ふふっ……」
「な、なんだよ……」
「いえ、なんでもありません」
そんなサガード様の様子を、ケリーは少し楽しそうに眺めていた。
どうやら、彼女はこの勘違いをわかっていて、訂正していないようだ。
なんというか、彼女も中々いい性格をしている。王族に対して、そんなことをするなんて、中々できることではないだろう。
そう思いながら、僕は自然と笑顔を浮かべていた。端から見ている分には、中々面白い状況だと思ったのだ。