公爵家の隠し子だと判明した私は、いびられる所か溺愛されています。
二人の問題(イルフェア視点)
私は、キルクス様と話していた。
今日は、色々な予定が重なった日である。キルクス様だけではなく、ルネリアが住んでいた村の村長さんと彼女の友達も訪ねて来ているのだ。
そして、さらにこのラーデイン公爵家を訪ねて来た人物がいた。それは、キルクス様の弟のサガード様だ。
「それにしても、サガード様は本当に家によく来ていますね……」
「あいつのことか……それに関しては、本当にすまないと思っている。俺も、一応注意はしているのだが」
私がそのことについて話を振ってみると、キルクス様は苦い顔をした。
サガード様の振る舞いは、少々奔放である。それが、彼にとってはあまり快くないのだろう。
「でも、私は微笑ましいと思いますよ。だって、好きな女の子に会いに来ているという訳ですし……」
「ふむ……」
私の言葉に、キルクス様は一度目を閉じた。それは、何かを考えているという様子である。
サガード様がルネリアのことが好きだということは、二人の様子を見た人なら誰でもわかることだ。当然、キルクス様もそれはわかっているだろう。
それは、別に悪いことではない。誰が誰を好きになったとしても、それは自由なことである。
だが、問題がないという訳ではない。二人が結ばれるには、少々困ったことがあるのだ。
「……キルクス様はどう思っていますか? 二人のことに関して……」
「難しい問題だと思っている。ルネリアがサガードの思いを受け入れるかどうかはわからないが、もし仮に受け入れたとしても、二人が無事に結ばれるには障害がある」
「障害、ですか……」
私の質問に、キルクス様はそんなことを言ってきた。
やはり、二人が結ばれるには大きな問題があるだろう。王族と貴族、その地位が二人の恋愛に問題を生じさせてしまうのだ。
「そして、その問題とは俺達が関係している。俺とお前が婚約しているという現状は、二人にとって……少なくともサガードにとっては、悪い状況だろうな」
「そうですよね……」
二人は、王族と公爵令嬢である。身分としては、婚約してもまったく問題はない。そういう面では、一つ障害がないといえるだろう。
だが、問題は既にラーデイン公爵家と王家の間で婚約関係があるということだ。私とキルクス様が婚約している状態で、二人が婚約できるかどうかは微妙な所である。
「父上は寛大な方だ。ある程度の融通は利かせてくれる方だと俺は思っている。だが、今回の件に関しては、すぐに首を縦に振ることはできないだろう」
「王族としては、できるだけ偏りをなくしたいということでしょうか?」
「ああ、他の貴族からの反感を買うことになるはずだからな……」
王族の兄弟が、同じ公爵家の娘を嫁にするというのは、他の貴族からすれば嫌なことだろう。
国王様も、無闇に反感を買うのは避けたいはずだ。そう考えると、二人の婚約は難しいものということになる。
私は、少し落ち込んでしまう。二人が結ばれるのに障害がある。その障害に、私達が絡んでいる。その事実に、なんだか悲しくなってしまったのだ。
今日は、色々な予定が重なった日である。キルクス様だけではなく、ルネリアが住んでいた村の村長さんと彼女の友達も訪ねて来ているのだ。
そして、さらにこのラーデイン公爵家を訪ねて来た人物がいた。それは、キルクス様の弟のサガード様だ。
「それにしても、サガード様は本当に家によく来ていますね……」
「あいつのことか……それに関しては、本当にすまないと思っている。俺も、一応注意はしているのだが」
私がそのことについて話を振ってみると、キルクス様は苦い顔をした。
サガード様の振る舞いは、少々奔放である。それが、彼にとってはあまり快くないのだろう。
「でも、私は微笑ましいと思いますよ。だって、好きな女の子に会いに来ているという訳ですし……」
「ふむ……」
私の言葉に、キルクス様は一度目を閉じた。それは、何かを考えているという様子である。
サガード様がルネリアのことが好きだということは、二人の様子を見た人なら誰でもわかることだ。当然、キルクス様もそれはわかっているだろう。
それは、別に悪いことではない。誰が誰を好きになったとしても、それは自由なことである。
だが、問題がないという訳ではない。二人が結ばれるには、少々困ったことがあるのだ。
「……キルクス様はどう思っていますか? 二人のことに関して……」
「難しい問題だと思っている。ルネリアがサガードの思いを受け入れるかどうかはわからないが、もし仮に受け入れたとしても、二人が無事に結ばれるには障害がある」
「障害、ですか……」
私の質問に、キルクス様はそんなことを言ってきた。
やはり、二人が結ばれるには大きな問題があるだろう。王族と貴族、その地位が二人の恋愛に問題を生じさせてしまうのだ。
「そして、その問題とは俺達が関係している。俺とお前が婚約しているという現状は、二人にとって……少なくともサガードにとっては、悪い状況だろうな」
「そうですよね……」
二人は、王族と公爵令嬢である。身分としては、婚約してもまったく問題はない。そういう面では、一つ障害がないといえるだろう。
だが、問題は既にラーデイン公爵家と王家の間で婚約関係があるということだ。私とキルクス様が婚約している状態で、二人が婚約できるかどうかは微妙な所である。
「父上は寛大な方だ。ある程度の融通は利かせてくれる方だと俺は思っている。だが、今回の件に関しては、すぐに首を縦に振ることはできないだろう」
「王族としては、できるだけ偏りをなくしたいということでしょうか?」
「ああ、他の貴族からの反感を買うことになるはずだからな……」
王族の兄弟が、同じ公爵家の娘を嫁にするというのは、他の貴族からすれば嫌なことだろう。
国王様も、無闇に反感を買うのは避けたいはずだ。そう考えると、二人の婚約は難しいものということになる。
私は、少し落ち込んでしまう。二人が結ばれるのに障害がある。その障害に、私達が絡んでいる。その事実に、なんだか悲しくなってしまったのだ。