金髪くんの一途な愛


「あの」

「ん?」

「今朝は、ありがとうございました」


そういえばちゃんとお礼を言ってなかったから今言ったら、

男の子は『気にしなくていいよ』と笑った。


「俺も助けてもらったから」

「あんなの、助けたうちには…」

「いや、言ってくんなかったらやばかった。
痴漢冤罪ってこうやってなるんだろうなって、ゾッとした」


『だからめちゃくちゃ感謝してます』って頭を下げる男の子。


見た目は派手だけど、綺麗な顔だし、意外に真面目なんだなぁ…。

黒夏の人だから関わりたくないと思ってたけど、やっぱりこの人は良い人そうだ。


「けど、さっきのは金目当てじゃなかったな。
……もしや『責任』って交際とかか…?」

「え?」

「昔からよくあったんだ。
俺に怪我させて『責任とる』って近づいてくる人とか、その逆で今回みたいなことも…」

「あー…モテそうな顔してますもんね」


お顔はとっても綺麗だし、一目惚れしちゃう人がいてもおかしくない。


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