金髪くんの一途な愛
「おまたせ!」
「日菜」
急いで校門まで走ったら、
侑真くんが『俺この子待ってたから』って女の子たちに断って私の方へ来てくれた。
「ゆっくりでよかったのに」
「侑真くんが囲まれてると思って」
「……それは、ヤキモチ?」
「え?
心配で急いだだけだよ」
電車で痴漢扱いされてた侑真くん。
こういうところでも厄介なことになってないか、心配なとこがある。
「あー…そーね。
俺痴漢扱いされてたもんね。
女が近付いてると心配なわけね」
「うん」
「…一応、ありがと。
(日菜のこういうとこカッコイイけど、
ちょっと冷めすぎじゃない?)」
侑真くんが不服そうな視線を向ける。
なんかまずいこと言ったかな?と眉間にシワを寄せると
侑真くんは何事もなかったかのようにニッと歯を見せて笑った。
「じゃあ帰ろ。
朝行ったとおりバイトあるから今日は遊べないけど」
「うん。わかってるよ」
「(やっぱ冷めてんなぁ…)」
バイトあるのに今から遊ぼうって言うほど自分勝手じゃない。
あと出来るだけわがままは言わない。これだけは付き合う上で気をつけなきゃ。