金髪くんの一途な愛


いつも通りに駅に向かい、

いつも通り電車内では向かい合って立った。


「そういえば、春白と黒夏の合同行事あるんだね」

「あー、夏休み前の学園祭な」

「どんなことするんだろ?」

「縁日みたいなもんらしい。
クラスで2、3店、屋台みたいなの出してさ」

「へぇ~面白そう!」

「一般客も入れるから、夏祭り感覚で来る人もいるんだって。
夜には花火も上げるらしいし」


侑真くんも1年生で、経験したことないはずなのに随分詳しい…


「あ、これも全部理事長が喋ってた内容ね」

「黒夏の理事長先生、本当に全部喋るんだね」

「結構気さくな人でさー…」


ハハ、と笑いながら

それからも学園祭のこととかを話してる間に


「……あ、日菜がおりる駅」


私のおりる駅に着いて、ドアの方へ移動する。

いつもはおりてから、侑真くんに手を振るんだけど。


「日菜!」

「え?」


ドアが開き、私がおりる前に侑真くんに呼び止められた。


「あ……っと、ごめん、なんでもない!
早くおりないとドア閉まるよ」

「あ、うんっ」


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