金髪くんの一途な愛
リュックをおろすと引っ張られてしまうから、侑真くんは高い位置でリュックを抱える。
もう片方の手は吊り革に掴まってるので、私が髪をほどいてあげた。
「ありがと日菜」
「ううん。侑真くん手が塞がってたから」
手が空いてた私がやるべきだった。お礼を言われるようなことじゃない。
「あの…ありがとうございます…!
ぶつかってすみませんでした…!」
「いや気にしなくていいっすよ。
髪以外は怪我とかないっすか?」
「大丈夫です…!
お気遣いありがとうございます」
女の子がぺこりと頭を下げると、長いウェーブがかった髪が揺れる。
こりゃ気をつけないと引っかかるよなーと思いながら見てたけど
その女の子は春白の制服を着てて
長いウェーブヘアが似合う、ドールみたいなかわいらしい顔をしてるなぁってぼんやり思った。
「……あの、春白の制服ですけど…
先輩ですか?」
私がまじまじ見てたからか、女の子は私を見て首を傾げた。
「あっ、いえ、1年です」
「えっわたしも1年です!」