金髪くんの一途な愛
バッと頭を下げる女の子。ふわふわの髪が揺れて、ほんのりシャンプーの香りがした。
……小さくて、ドールみたいな顔で、いい香りで
男の子にモテないわけがない。
おまけにドジっぽいところも、守ってあげたいと思うかも。
「あの…」
「……はい?」
女の子を見ながらぼんやりとしてたら
女の子は自分の髪の毛先を弄りながら、恥ずかしそうに俯いた。
「……電車で一緒にいた黒夏の人って、
彼氏さんですか?」
「……え?」
そう言いながら、しきりに髪を指に巻き付けては解きを繰り返してる。
……彼氏…
今はたしかに、彼氏のはずなんだけど…。
「ううん、違うよ」
付き合ってることは隠してるから、そう言った。
そしたら女の子は、パッと顔を上げて。
「ほ、本当ですか!」
なぜかすごく嬉しそうにそう言ったんだ。
その瞬間に、
私の中でモヤモヤが溢れ出して、嫌な予感がした。