金髪くんの一途な愛
顔あげた私の目に映ったのは
心配そうで…だけど照れくさそうな顔で、私に手を伸ばす侑真くんの姿だった。
「侑真くん…?」
「……あっごめん!」
私が首を傾げると、手をバッと引っ込めた。
……あ…ここ外だから
誰かに見られて誤解されないように、触らないようにしてくれたんだ。
……恋人らしいこと、私とは何もできなかったから…
なーちゃんさんに会ったら、きっと侑真くんのしたいことがたくさんできて…侑真くんは幸せだろうな。
……そりゃあ、私を選んでもらえるはずなんてなかった。
「……日菜、本当に大丈夫?
ずっと上の空みたいだけど…」
「……うん、大丈夫。
今日、学校で失敗したことがあって、なんかずっと気になっちゃって…」
「そういうことあるよなー。
些細なことだけど、ずっと気になること」
「……うん…」
咄嗟についた嘘。
嘘なのに、侑真くんが真面目に聞いてくれることに心が痛くなった。