金髪くんの一途な愛
2人で電車に乗り、
いつもと同じようにドア付近に並んで立つ。
そろそろドアが閉まるなと思ってたら
「待って待って待ってっ!!」
ドアが閉まる時に女の子が駆け込んできた。
『駆け込み乗車は大変危険ですのでおやめください』
「はいぃ…すみません…」
車内に響いた放送に謝る女の子。
……今、あんまり会いたくない子だった。
「久留米さん…危ないよ?」
「鈴原さんが見えたから、必死で…」
えへへ、と笑う久留米さん。
一見、私と一緒に帰りたいセリフかと思うけど…
「やっぱり一緒にいた」
久留米さんは侑真くんに視線を移し、ニコッと笑った。
「……あぁ、今朝の。
日菜と仲良くなったの?」
「鈴原さん、今日学校で助けてくれたんです」
「そっか。
やっぱ日菜ってヒーローだよな」
「はいっ」
私の話をしてるのに、
まわりから見たら2人が仲良さげ。
……久留米さんはなーちゃんさんかもしれない。
そう思ったら、彼女の前で上手く笑えない。