金髪くんの一途な愛
名前呼びは特別
「ただいまー」
「おかえり、日菜」
家に帰ってくると、お父さんが出迎えてくれた。
「学校は楽しかったか?」
「うん。友だちもできたし、楽しかったよ」
「そうかそうか」
ニコニコと笑ってるお父さん。
私が幼少の頃は、お父さんの影響で友だちもあんまりいなくて…
私に苦労させたと思って、お父さんはずっと気に病んでた。
だから学校生活を楽しんでる私を見ると安心するんだろう。
「日菜、おかえり」
リビングに行くと、今度はお母さんがおかえりと言ってくれた。
「ただいま」
「なにか楽しいことはあった?」
「お母さんもお父さんとおんなじこと聞く」
「ごめんごめん。
じゃあお父さんとは違う報告して?」
「えー……うーん…。
あ!今日、電車で酔ってたところに、助けてくれた人がいてね」
「あら、良い人ね〜」
「でも、告白もしてないのに、『心に決めた人がいるから好きにならないでね』ってフラれた」
おかしいでしょ?って笑いながら言ったら
お父さんが、手に取ったテレビのリモコンを落とした。
「……お、お父さん?」
「誰だ…俺の娘をフったという不届者は…!」
「お父さん落ち着いて。
私は全然傷付いてもないから大丈夫」