金髪くんの一途な愛

「……侑真くん、鈍いね」

「俺、人の顔覚えるの苦手で」

「あんなかわいい顔の人忘れるなんて、
侑真くんって変わってる」


ふ、とちょっとだけ小馬鹿にしたように笑ったのに

侑真くんは怒ったりしなくて、

なぜか、私の顔を見て固まっていた。


「……侑真くん？」

「……え？
あ、…なに？」

「私、侑真くんのこと馬鹿にしたのに、
怒らないの？」

「怒ってほしいの？」

「そういうわけでは…」

「怒らないよ。
……ていうか、日菜のほうが怒ってるんだと思ってた」


袖を掴んでいた私の手に、侑真くんの手がそっと触れた。


「……何か気に障ることをしたなら謝る。
俺にしてほしいことがあったら言って」

「……」


侑真くんの必死な顔。

こんな顔を近くで見れる日が来なくなるのか、と思うだけで、一気に寂しさが押し寄せた。