金髪くんの一途な愛
「………じゃあ、お願いしたいことがある」
「なに?」
「今からデートしたい」
触れた侑真くんの手を、ぎゅっと握った。
「友達らしくいようって言ったのは私だし、わがままなのはわかってるけど…」
たった1ヶ月しか恋人でいられなかったけど
もう終わってしまうなら…思い出がほしかった。
「なんだ、そんなこと。
いいよ、デート。俺もしたい」
ニッと笑った侑真くんは、ぎゅっと私の手を握り返した。
「俺、この駅の近くで行きたい場所があるんだけど、日菜、他に行きたいとこある?」
「ううん。侑真くんの行きたいところでいいよ」
ちょうどいいとこで降りたなって笑ってくれる侑真くん。
本当はこんなとこで降りる予定もなかっただろうに…
私を責めないところも優しくて………残酷だ。