金髪くんの一途な愛
「……俺も」
「ん?」
「俺も好き。蓮華。
でも、好きになるまで、蓮華なんて見向きもしなかった」
「……じゃあ、なんで好きになったの?」
侑真くんに問いかけると
侑真くんの口角がわずかにあがった。
「あの子が笑ってくれたから」
咲いていた蓮華の花弁に触れる侑真くん。
その言葉を聞いて私は、『聞くんじゃなかった』と思った。
「そ…なんだ…」
「花屋にあるような派手な花じゃない。
田舎の田んぼに咲くような小さな花。
だけど…俺は一番この花が好き」
「へぇ……」
もうわかってる。
全部、なーちゃんさんに影響されたことでしょう?
「……前に紅茶を好きになった話、したことあったよな?」
「え、紅茶?」
「忘れてる?」
昔は嫌いだったけど好きになったって話だよね?
「いや、覚えてるけど…なんで今?」
「……同じだから。好きになった理由」
「え?」
「いや、ちょっと違うか。
『あの子が笑ってくれたから』じゃなくて、『あの子を笑わせたかったから』」