金髪くんの一途な愛
今の侑真くんは
どれだけなーちゃんさんの影響を受けて育ってきたんだろう。
私が好きになった侑真くんは
なーちゃんさんがいなかったら、きっといなかったと思う。
……だからこそ、絶対に敵わないと思う。
ううん。同じ土俵に立つことだってできないんだ。
「俺はいつだってあの子中心で
愛しくて、かわいくて、結婚の約束もしたんだけど」
「えっ…」
結婚の約束…?
それって、
なーちゃんさんは婚約者…ってこと?
「そ、そんな約束してたなら、
私と付き合ったりしたらダメなんじゃ…」
「……いいんだよ。
わかってんだ。
なーちゃんに再会したところで、なーちゃんに選ばれるはずがないってこと」
「……っ」
そんなわけない。
だって久留米さんは絶対、侑真くんのこと…!
「……苦い思い出ってのはそれ。
……結婚の約束をして、そして、また会おうと約束した。
だけど次の日も、その次の日も…その後1ヶ月…毎日ここに来たけど…会うことはなかった」