金髪くんの一途な愛
───10年前。
俺には3つ下の妹がいて
まだ手のかかる妹に付きっきりの親にむしゃくしゃして、ある日、家出をした。
家出と言っても、5歳の俺には外で暮らすような覚悟はない。
ただ親に構ってほしかった。心配してほしかったんだ。
そうして、妹しか見てない親に黙って、こっそり家を出た。
やり場のない寂しさが、次第にイライラに変わっていく。
妹さえいなければ。親がもっと俺に構ってくれれば。
そんなムカムカする気持ちを発散するように、とにかく遠くへ行こうと歩いた。
そうしてたどり着いたのが、古びた小さな公園。
電車だったら3駅分離れたところまで歩いて来ていた。
歩き疲れた俺は公園の砂場に座り、
誰かが忘れていった小さなシャベルで、胸のモヤモヤを発散させるようにザクザクと砂場を掘り始める。
そんな時、公園の前を通りかかった親子がいた。
子どもは普通だけど、大人が怪しすぎる風貌の親子。