金髪くんの一途な愛


親子なのかと不安になるくらい怪しかった。

誘拐…?と思うくらいには。


だけど


『行っておいで』


その怪しい人が、一緒に歩いていた女の子にそう言って背中を押した時、親子だろうとわかった。


そう言われた女の子は嬉しそうに

俺のもとへ走ってきた。


『……あの!』

『……』

『いっしょに…あそびたい…』


女の子が俺に声をかけてきた。

だけど、イライラが募ってた俺は


『おれはひとりであそんでるの』


女の子に背を向け、

ザクザクと、また砂を掘り返しては埋めてを繰り返した。


あんな怪しい風貌のヤツの子どもなんて、関わりたくない。

早くどっか行けと思っていたのに


『じゃましないから…見ててもいい…?』


俺の前にまわりこんできて、

女の子はしゃがんで俺のことをじっと見てた。


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