金髪くんの一途な愛


『じゃあ、なーちゃんってよぶ!』


俺がなーちゃんって呼ぶと

なーちゃんは嬉しそうに微笑んだ。


『じゃあわたしはなんてよべばいい?』


そう聞かれた時に、『侑真』って名乗ればよかったんだけど。

あっちが1文字しか教えてくれてないからって対抗して、俺も1文字だけ、『ゆ』と言った。


『じゃあ、ゆーくん』

『なーちゃん』

『ゆーくん』


ゆーくんと呼ばれるのが嬉しくて、何度もなーちゃんと呼んだ。




それから日が落ちるまで、なーちゃんと色々話して遊んでた。

実は紅茶が嫌いで、だけどいつも頑張って飲んでるとか。そんな話もした。

なーちゃんが飲みたくないなら、俺が飲めるようになるよって言った。そしたらなーちゃんは笑ってくれた。それが嬉しくて、絶対飲めるようになろうと思った。


砂場で泥団子を作ったり、おままごととかして。

その時に言ったんだ。


『なーちゃん、
大きくなったらぼくとけっこんしよ?』


おままごとの中の演技みたいだったけど

本当にしたいと思ったから言った。


そしたらなーちゃんは


『うん、する』


おままごとの演技なのか、本当の返事なのか、わからなかったけど

俺は都合よく、本当に受け入れてくれたんだと思った。


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