金髪くんの一途な愛


少しして、

この公園に警官の人と両親がやってきた。


『あぁ…よかった無事で…!』

『おとうさん、おかあさん…』

『心配させるな…!』


父さんと、妹を抱いた母さんが俺を抱きしめて頭を撫でた。


『……ごめんなさい…』


本当に心配そうな両親の顔を見て、バカなことをしたと思った。

妹も今にも泣きだしそうで、本当に迷惑をかけたんだと実感して、俺も泣きそうになる。

あの時俺が一人だったから、きっとなーちゃんのお父さんが警察に連絡してたんだろうと、今さらながら思う。


『帰るぞ』と父さんに手を引かれた時、

なーちゃんもまた、自分のお父さんと手を繋いでいて、帰ろうとしていた。


『ちょっとまって!』


父さんの手を離し、


『なーちゃん、明日もまたあそぼ』


この場所でってわかるように、公園の隣の田んぼに咲いていた蓮華の花をなーちゃんに渡して言った。

なーちゃんは笑って『うん!』と応えてくれたから、何も疑わなかった。



今度は心配をかけないように、母さんと父さんについてきてもらって、毎日公園に足を運んだけど…


なーちゃんと会うことはなかった。


……きっと、俺とはもう遊びたくなかったんだろうな。



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