金髪くんの一途な愛
俺の降りる駅に着いて改札を抜けると、外が騒がしかった。
「ねーいいじゃん。ちょっと遊ぼうよ」
「離してください…!
わたし、人を待ってるんです…!」
田舎なのにナンパ?
やんちゃそうな男3人に囲まれてる女の子は、見覚えのある背中だった。
「すいません、この子になんか用っすか?」
知ってる背中なのに、無視するのもなと思って声をかける。
すると男たちは『いやぁ〜…なんでもないッス!』と言って走って去っていった。
……あー。こういうときに役に立つなぁ、『見た目ヤンキー』。
金髪にしててよかったわ。
「あの…侑真くん」
「あ、大丈夫?」
「うん、ありがとう」
長いウェーブヘアを揺らし、彼女はニコッと笑った。
「……久留米さん、だっけ?
結構前の電車で帰ったはずだよね?
こんなとこでなにしてんの?」
てか、この子もこの駅で降りる子だったんだ?