金髪くんの一途な愛
「……そうだな。
お父さんも、日菜に謝ることばっかりだ」
「……」
「……すまない。
こういう時も、なんて言えばいいか…」
また私の言葉で、お父さんに謝らせてしまう。
こういう空気になると、私も申し訳なくなって…
「……ごめん…」
また、無意識に出てしまう。
こんなことばっかり…
「いやごめんじゃなくて、
とりあえず二人ともおれに『ありがとう』って言うべきでは?」
気まずい空気をぶち壊すように、
美宙くんが腕を組みながら私とお父さんを交互に見た。
「……あ…そうだね。
ありがとう、美宙くん」
作ってくれたうどんも美味しい。
美宙くんがいなかったら、お父さんが空回ってたかもしれない。
今一番感謝するべき相手は美宙くんだった。
「美宙、おまえ日菜の婿になるか?」
「唐突になんすか」
「美宙になら日菜を任せられるなと思ったからな」
「それは、あざっす。
……って、なんでおれがありがとう言う流れになってんすか!
あとおれ日菜嬢と10歳近く離れてるんで日菜嬢の婿は遠慮しときます」
え、なんで私フラれたの?