金髪くんの一途な愛


薬の効果もあり、

翌朝には熱も下がって、体のだるさもなくなっていた。

喉の痛みはまだ残っていたので、マスクをして家を出た。


……今日は侑真くんと顔をあわせるだろうけど

どんな顔して会えば…。


少し憂鬱になりながら、いつもと同じ電車に乗る。

目立つ金髪は、いつもと同じ場所にあった。


「日菜、おはよう」

「おは…」


いつもと同じように笑いかけてくれる彼の隣に


「鈴原さん、おはよう」


彼女の姿があることに気付いたら、ぎゅっと胸が苦しくなった。


え…なんで…侑真くんと一緒に…?


「おは、よう…」


戸惑う私に、侑真くんが言う。


「俺と乗る駅一緒で、
せっかくだから一緒に行こうって、昨日から」

「……」

「昨日言いたかったけど、日菜いなかったから」


……学校休んだこと、侑真くんに言わなかったもんな…。

侑真くん、連絡もしてくれなかったから…。


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