金髪くんの一途な愛


帰りに学校の前で待ち合わせると久留米さんに出くわす可能性があったから

この前の公園で待ち合わせすることになった。








「日菜」


先に公園に着いていた侑真くんはベンチに座っていて

私が来たのに気付いて、自分の隣をトントンと叩いた。


「失礼します…」


侑真くんの隣に座ったけど、

人1人分くらいの間をあけた。


「……遠くない?」

「わざとあけてるの」

「……俺に近付きたくないってこと?」


近付きたくないわけじゃない。

でも、近付いたらもう、戻れなくなる。


……諦められなくなる。


だから、侑真くんの問いに首を縦に振った。


「……ここ最近、
俺のこと避けてたよな?」

「うん」

「どうして?」

「……どうして?」


なんでわからないの?

言ったじゃん、『鈴原の手をとる自信がない』って。

ないんでしょ?
自信どころか、もうその選択肢も。


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