金髪くんの一途な愛
家族の仲はいいと思う。
普通の家族ってやつ。
最近までお母さんと2人だったから、こんな普通のことにすら憧れていたけど。
これからはずっと、3人でいられるんだ。
「……ところで日菜。
そのタオル、日菜のじゃないわよね?」
「うん。
今日助けてもらった時、その人が貸してくれたの」
「なにっ!?
じゃあそれは日菜をフッたという不届者のタオルか!?」
お父さんがまたカンカンに怒ってる。
もう……また面倒くさい。
「そんなやつのために洗濯してやる必要はない!」
「それは失礼でしょ!
もうお父さんは黙ってて!!」
ぐいぐいとお父さんを脱衣所の外へ追いやって、
お父さんの言う事は無視して洗剤を入れて洗濯機をまわした。
「日菜!
もしそいつにまた失礼なこと言われたら、お父さんが怒りに行くからな!」
「やめてよ恥ずかしい。
結構でーす」
お父さんの申し出を丁重にお断りして、洗濯が終わるまで部屋にこもった。