金髪くんの一途な愛
傷付けた子*Side:侑真
どのくらいの時間が経っただろう。
日菜に『別れよう』と言われて、日菜が公園を去ってから、どれだけの時間が経った?
まわらない頭を必死に動かして時計を見ると、まだ全然、10分程しか経ってなくて。
なのに1時間くらいここにいるような、そんな感覚。
……日菜、泣いてた。
隠してたけど、見えたよ。
だけどどうしてだろう。
最後の、涙を流しながら笑ったあの表情が
どこかで、見たことあるような気がして…
呆然として、すぐに日菜を追いかけられなかった。
『いつか終わりが来ることがわかってるのに
好きになっちゃいけないのに
好きになることを止められなかった…
それがどれだけ苦しかったか……
侑真くんは、考えたこともないよね?』
……耳が痛かった。
そうだ、俺は……日菜の気持ちを考えたことなかった。
……なのに、『好きにならないで』って保険をかければ大丈夫だって、軽く考えて…
ずっと、日菜を傷付けてたんだ…。
「……ごめん…日菜…」