金髪くんの一途な愛
「それで…その日、小さな公園に立ち寄ったんだ。
娘と同じくらいの歳の男の子が、一人で遊んでてね。
娘がそれを見て、一緒に遊びたがって…」
「……え…」
「娘は楽しそうに遊んでたよ。
僕は何も言わずに見守っていたけど、男の子の保護者らしき人が見当たらなかったから、僕は警察に連絡して、ちゃんと迎えがきて安心したっけ」
「……!」
それって…
もしかして……俺のこと…?
「娘は遊んだ後、とても嬉しそうにしててね。
帰るときに笑いながら、その男の子と結婚するんだと、嬉しそうに話していた」
「……!」
やっぱり
この人、なーちゃんの…お父さん…?
「それで…っ、どうして心を閉ざすことになっちゃったんですか…?」
もしかしたら
俺のせいでもあるかもしれない。
「……さっき言った通り、しばらく不審者情報が出てしまって、
僕は都心の方に戻って妻たちの元を離れた。
だが、その不審者情報のせいか、この辺りをマスコミが張りはじめてね」
「……それで、娘さんは…?」
「娘や妻にもマスコミが接触してくるかもしれない。
だから…二人にも外出は控えるように、僕がお願いした。
その結果……娘と男の子が会う機会がなくなってしまい…
娘はその男の子との約束を破り、裏切ってしまったことを…とても悔いて、大泣きしたんだ」