金髪くんの一途な愛


……そんな立派なものじゃないけどね。

譲れないもの、なんて。

私はただ…傷付きたくなくて逃げただけ。

でも、こうなることが一番良い方法だと思った。

侑真くんは初恋の人のもとへ遠慮なくいけるし、久留米さんも私という厄介な女はいなくなるわけだし…

私が邪魔者だったんだもん。

これが一番よかったんだよ…。


「ねぇ日菜、
この合同学園祭は一般の人も入れる、夏祭り感覚でやるって知ってる?」

「うん。侑真くんに聞いた。
夜には花火もあがるって」

「それね、噂があるんだよ」

「噂?」

「花火が打ち上がる時に告白すると
絶対成功するって噂」


……なんだそれ。

永遠に結ばれる、とかじゃないんだ?

そもそも告白なんて、明らかに脈ナシの人にはしない気が…。

ずいぶん保守的なジンクスだね…。


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