金髪くんの一途な愛
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「ただいまー」
「おかえり」
「あれ、お父さんいる」
ここ1ヶ月は、都心にある芸能事務所の方に籠ってしばらく家にいなかったお父さん。
一旦あっちで必要な仕事を終え、久しぶりに家に帰ってきていて、リビングでくつろいでいた。
「あっちの仕事終わったの?」
「現場作業はとりあえずね。
あとはこっちでもできる作業だけど、
仕事は山積みだよ」
「そっか。頑張ってね」
俳優業をやってる時も大変そうだったけど、裏の作業も大変そう…。
俳優やってたときより一緒にいられる時間は長いから、私は嬉しいけど…
こうも大変だと、
学園祭来てもらいたかったけど…誘いにくいな。
「……あの、お父さん」
「ん?」
「もうすぐ学園祭があるの。
黒夏高校と合同行事なんだけど…
夏祭りみたいなもので、屋台とかたくさん出るんだ。
だからその…お父さんも来ないかなって…」
忙しいって断られる可能性を考えると、『絶対来て』とは言えなくて、ぼやかすように聞いてみる。
お父さんは「行く」か「忙しい」か、すぐに答えを出すと思っていたのに。
「………黒夏高校と…?」
コーヒーを飲もうとしていたお父さんの手がピタリと止まった。