金髪くんの一途な愛
お父さんが仕事で使ってるものだろうか?
お父さんの私物にしては…ピンクのリボンなんて可愛らしくて似合わないな。
しかも蓮華の花って。お父さんってそんなに花とか興味あった……っけ……
………あれ?
「……これ、私のじゃない?」
「あぁ、そうだよ」
「……なんで、持ってるの?
それ、随分前に『処分しといて』って言ったはず…」
たしか、私がお母さんと一緒に作った栞だ。
大事な花だから、押し花にして日頃から使えるようにって……
……あれ…?なんで、大事だったんだっけ…?
「……日菜にそう言われても、
お父さんは捨てられなかった…。
日菜が、一番大事にしてたものだっただろう?
これは……俺が捨てちゃいけないと思ったんだ」
「……、私…
そんなもの、大事にしてない…」
お父さんがなにか伝えようとしてるのがわかる。
それに警鐘を鳴らすかのように、心臓がバクバクはげしく動いてる。