金髪くんの一途な愛
「……あ…」
「日菜。おまえは誰も傷付けてなんていない。
俺が、日菜を傷付けたんだ。
日菜がつらい思いをする必要はない」
「……ゆ…くん…」
「そうだよ。
『ゆーくん』は日菜を嫌いになってないよ」
……思い出した。
小さい頃……この間侑真くんと行ったあの公園で会った男の子。
私が約束を破って…
ほとぼりが冷めた頃、あの公園に行ったらゆーくんの姿はなくて…
『ひながやくそくやぶったから…っ
──ゆーくんはひなのことキライになったんだぁ…っ』
ゆーくんに嫌われて
もう二度と思い出さないようにと…心の奥底に閉じ込めてた。
もう誰も傷付けないように、もう自分が傷付かないように…『大事な誰か』はつくらない。
『大事だったゆーくん』は、もう大事じゃないと……何度も自分に言い聞かせて、やっと忘れられたのに。
『なーちゃん』
『心に決めた人がいる』
『忘れらんなくて、諦められなかった』
……思い出してしまった。わかってしまった。
───侑真くんが、『ゆーくん』だって。