金髪くんの一途な愛
侑真くんの探してる『なーちゃん』は、
───『日菜』だって。
「お、とうさん…」
「なんだい?」
「わた、私…っ
侑真くんのこと、傷付けた…っ…」
お父さんの前で、ボロボロと涙がこぼれた。
ゆーくんのことを思い出した。
あの日結婚の約束をしたことも。本当に初恋だったことも。
侑真くんがずっと私を覚えててくれて…嫌われてないことはわかったけど…
私は侑真くんにハッキリと、別れを告げたじゃないか。
今さら私が『なーちゃん』だと名乗っても、
もうきっと…侑真くんは許してくれない…。
「……日菜、大丈夫だよ。
あの頃は俺のせいで会って事情を話すことすらできなかった。
だけど、今は会って話せるだろう?
ちゃんと、日菜の素直な気持ちを、ゆーくんに伝えなさい」
「……怖い…っ」
今度こそ、本当に嫌われてたら…?
「それでもちゃんと伝えるべきだ。
今のままで、日菜は前に進めるかい?
心から笑えるかい?」
……うん、わかってる。
ずっと立ち止まってるの。
後悔で、後ろばっかり振り返ってしまうの。