金髪くんの一途な愛
たしかに、乾いてるのは確認したけどカバンに入れるのは確認しなかった。そりゃボケてるけど!
たった一回でそんな決めつけないでほしい!
「タオルはいつでもいい。
どうせ学校隣だし、いつでも会えるだろ」
「………はい」
あなたの学校の方にはできるだけ行きたくないけどね。
「あ、そうだ。
キミ名前なんていうの?」
「え?」
「昨日助けてもらったのに聞きそびれてた。
せっかくお互い助け合ったんだし、このままハイ他人〜って戻るの悲しいじゃん。
で、名前は?」
たしかに、このまま『知らない人』になるのは…ちょっと悲しい。
「鈴原です。鈴原日菜」
「俺、佐々木侑真。
よろしく、鈴原」
「あ…はい」
名乗った時、
佐々木くんが私の名字を呼んだのが、なんだか意外だった。
だって、こんなぐいぐい来る感じだから
名前を呼ばれるかと思ったのに(名前のほうが短いし)。
……あ。もしかして。