金髪くんの一途な愛

「正直、
あの時の結婚の約束って、おままごとの一環かと思ってて」

「えっ」

「いや、俺は本気で言ってたよ！？
けど、日菜の返事は本気じゃないと思ってた」


えぇ…

ずっと、本気だったのに。


「だから今どっかで彼氏と幸せにやってて
俺のことなんて覚えてもないのかなーってずっと思って生きてた。
まぁ、覚えてないのは事実だったけど」

「ごめんってば！」

「はは、一生いじってやろー」


侑真くんがイタズラっ子みたいに笑う。

優しかったのに、急に意地悪になるよね、侑真くん。


「そういう侑真くんだって気付かなかったくせに…」

「けど本能で惹かれたんだろ。
ゲロ吐きそうになってたとこに声をかけたのは誰でしたかねー？」

「………」


ああ言えばこう言う…


「そうだよ！私が悪いよ！」

「ごめん、責めてるわけじゃ…」

「侑真くんだってさ、一瞬久留米さんに向いたでしょ？」


久留米さんがなーちゃんだと思ってた時には『かわいいかも』とか言ってたくせに…


……って、そういえば久留米さんって侑真くんのこと知ってるって言ってた。

なーちゃんは私なのに…一体どこで…？