金髪くんの一途な愛


「向いてないって!
向いてたら日菜には俺から別れ告げてるだろ」

「……でも、知り合いだったんだよね?」


久留米さんは過去にあったことあるって言ってたよ?


「……あー、それね。
日菜がなーちゃんだってわかってから、マジで久留米さんとどこであったか記憶なくて本人に聞いたら、
小学生の時に入ってた少年野球の先輩の妹だった」

「………え?」


ん?ん?ややこしいな。なんて?


「俺小学生の時に少年野球やってて。
チームメイトに一個上の先輩がいて、その先輩の妹だったのな。
で、チームメイト何人かで先輩の家遊びに行ったことがあって、そん時にあっちは俺のこと知ったみたいだけど、俺は全然覚えてなかったんだよね」

「……そうだったんだ」

「それで『ごめん全然覚えてない』って言ったら、久留米さんブチギレ。
まさかそんな子だと思わなかったし、
日菜がなーちゃんだって気付いた後だったから、優しくする必要もないかと思ってそっから全然話してない」


久留米さん…きっとショックだったんだろうな。

さっき睨まれたのも、もう侑真くんが自分を好きじゃないのがわかってたからかな。


………。


侑真くんって、罪な男だ…。


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