金髪くんの一途な愛
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「お、お邪魔します…」
「どうぞあがって〜」
学園祭が終わるとすぐに夏休みが始まって、
夏休み初日の今日、侑真くんとうちで遊ぶことになった。
「キミが噂の佐々木くん?」
「はい、佐々木です…」
「緊張しなくていいからね。
ゆっくりしてって」
「はい…っ」
お母さんと会話する侑真くんは、本当に緊張が見てとれるほどガチガチ。
そんな緊張するタイプだったのかな?と思いながら自分の部屋に案内しようとしたら
「……おや。いらっしゃい」
「あ…っ!お、お邪魔します…!!」
リビングから顔を出したお父さんに、ひときわ緊張してる様子だった。
……あ、そっか。
ゆーくんってことは、一応あの時お父さんとも会ってるってことだもんね。
「そんなに緊張しなくてもいいのに」
「でも、日菜の両親だし…」
ひそひそと私と侑真くんが話してたら
お父さんがゴホンと1つ咳払いした。
「金髪、やめたんだね」
「あ…はい。
金髪にしてる理由もなくなりましたし、
印象も悪かったと思いますし…」
「あぁ。僕も今のほうがいいと思うよ。
そうだ、またあのバーに行きたいから、
ぜひシフトが入ってる時を教えてくれ」
「……はいっ」