金髪くんの一途な愛
満足げな顔でリビングに戻るお父さん。
……あれ、二人…顔見知り?
「バーって…侑真くんのバイト先の?」
「あー…うん。
この間たまたま会ってさ」
「……あ、そういうことか」
学園祭のときに言ってた
私と別れてから会った“ある人”って…もしかしてお父さんのことだった?
突然私に、『昔のことを思い出せ』って言ってきたのも…きっと侑真くんに会ってたからだ。
もう一度巡り合わせてくれたのは、お父さんだったんだ。
「お父さん、もしかして侑真くんがゆーくんって気付いてたの?」
「いや、なんか昔話されたから聞いてたら、
たぶんなーちゃんのお父さんだーって気付いて俺から名乗った」
「なんで知らない人間に昔話するかな…」
絶対『元俳優でぇ〜』って言ってると思う。
やめたからって、今でも有名人顔するとこあるからなぁ、お父さん。
まぁでも…今回だけはその武勇伝語りも役に立ったってことか。