金髪くんの一途な愛
「すいませんお待たせしました……って、げっ!」
「よっ侑真!」
「何しに来たんすか」
「勧誘に決まってるだろ〜」
わはは!と豪快に笑う女の人。
勧誘ってなんのことだろう?と思って侑真くんをチラッと見たら
侑真くんがハァ…とため息をついていた。
「興味ないですってば。
俺、今は彼女との時間が一番大事なので」
「そう言いながらバイトしてるじゃない」
「バイトは必要でしょ。
それにここに彼女いますし」
侑真くんが手のひらで私を指す。
女の人は私を見ると、サングラスを下にずらして私の頭から足まで視線を動かした。
「……ふむ。なかなか可愛いじゃない。
でも芸能人向きじゃないわね〜。素朴だわ」
「素朴…」
「失礼な!!
素朴なところがママに似て良いんだろうが!!」
ゴン!!と隣でテーブルを叩いて立ち上がったお父さん。
あぁ…っ、お店で騒ぎ起こすのとかやめて…!
「……あ?
誰かと思ったら、蓮司じゃない」
「……へ?」
「……え?」
お父さんを見て呟く女の人に、
私と侑真くんはわけがわからなくて顔を見合わせた。