金髪くんの一途な愛
「私、小さい頃は紅茶苦手だったけど、
繰り返し飲んでるうちに好きになったんだよね」
「俺も俺も。
初めて飲んだのはまだ保育園の時とかで
その時は全然好きじゃなかった」
「じゃあなんで飲んでたの?」
私みたいに、好きじゃないのに飲んでた理由があるのかと思って聞いてみたら
はぐらかすように『なんでだろ』って返ってきた。
「好き嫌いなくしたかったからかなー」
「今テキトーに理由つけた?」
「はは、まぁね。
いいじゃんそんなことは。忘れた」
はぐらかすってことは
覚えてるけど、言いたくないんだろうな。
「逆に聞くけど、鈴原はなんで苦手なのに飲んでた?」
「……見栄張りたかったから?」
「自分もテキトーに返してんだろ」
「本当なんだけどな」
お父さんに喜んでもらいたかった。
『私は紅茶好きだよ!お父さんより偉いよ!』って自慢したかったのかも。
しばらくはずっと苦手だったけどね。