金髪くんの一途な愛





なんとか遅刻せずに学校に着き、

席に座ると隣に人が立つ気配が。


「おはよ、日菜(ひな)

「みくる、おはよ」


席が前後で、入学式のときに友だちになった杉原(すぎはら)みくる。
髪は短くてボーイッシュで、クールな瞳が印象的なかっこいい女の子。


「なんか顔色悪くない?」

「うん…満員電車で酔っちゃって」

「あー。慣れてないとキツイよね」

「すぐ慣れればいいんだけど…」


あの押しつぶされる感じ…そこに、普段なら気にしない他人の匂いが相まって…思い出すだけで気持ち悪くなってきた…。


「慣れる未来が見えない…」

「大丈夫か?
電車通学やめたほうがいいんじゃない?
日菜の親、自宅で仕事してるんでしょ?
親に送迎頼むとか…」

「さすがにそんな迷惑はかけれないよ」


もう電車の定期も買っちゃったし…

お父さんたちの手間を増やすわけには…。


「……けど、無理すんなよ?」

「うん。
今日はね、親切な人がいてくれたから助かった」

「そ、よかったじゃん。
毎日そういうことあればいいのにね」


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