金髪くんの一途な愛
「う゛っ」
「何コイツ、日菜のストーカー!?」
あまりにも怪しすぎる姿に、ヤバい奴だと思ってるみくるは男の腕を捻り上げて私に聞く。
「いててててて!!痛い!!」
「みくる、とりあえずやめてあげて…」
みくるは私の言葉ですぐに男の手を離す。
………はぁ。まさかここまで来るとは。
「何しに来たの、お父さん」
転がってるお父さんの前にしゃがんで、『邪魔だからさっさと立って』って肩を叩いた。
「日菜の……お父さん!?」
この不審者が!?とでも言いたげに指をさして驚くみくる。
ごめんね、こんな怪しい格好のやつが父親で。
仕事の時にやった殺陣のおかげで受け身がとれてたみたいで、お父さんはすぐに立ち上がって端に避けた。
「ご、ごめんなさい、あたし…
ストーカーかと思って…」
「いやいいんだ。顔を隠してた僕が悪いからね」
それでもまだ警戒している様子のみくるを安心させようと、
お父さんはサングラスとマスクを取って素顔を見せた。