金髪くんの一途な愛
ファンだった人に嘘をつかれてた。
みくるは……幻滅したかな。
「僕はたしかに、日菜の存在を隠してきました。
世間に結婚していたことも、子どもがいたことも隠し、引退した時も公表しなかった。
僕に対してガッカリしたと、言ってもらって構いません。
だけど、日菜を嫌ったりしないでほしい。
この子も僕のことで苦労して生きてきた。
日菜を…責めないでほしいです」
頭を下げるお父さん。
きっと、私の存在も気持ち悪いと思っただろう。
私もみくるの反応が怖くて俯く。
だけど。
「すっ……ごいですね。
あたし、気付きませんでした!
そんな噂も全然なかったし!」
「え……幻滅したんじゃ…?」
「どうして?
よく15年も隠し通せましたね!?
すごいです!!」
褒めてくれるみくるに、お父さんは少し涙ぐむ。
「え!あ、え!?
すいません、あたしまずいこと言いました…?」
「いや、すまない…。逆だ…。
褒めてくれると思わなくて、嬉しくてね」
「……世間では裏切られたと感じる人もいると思います。
でも、あたしはすごいと思います。
だってきっとそれだけ、蓮司さんや日菜は大変だったと思うから…」