金髪くんの一途な愛
親切な人ではあったけど…
毎日ヤンキーに絡まれるのは嫌だなぁ…。
「明日からは対策するよ」
酔ってもいいように、タオルも用意してビニール袋とかも持っておこう。
……あ、そういえば。
「みくる…あのさ」
「ん?」
「……黒夏高校に知り合いとかいたりしませんか…?」
「黒夏に知り合い?
いや、いないけど」
「だ、だよね〜…」
みくるにそう言われ、ずぅん…と気が重くなった。
私の通う春白高校は女子校。
真っ白の制服は上品で、学年ごとに色が違うリボンがアクセントになってて、私は制服のかわいさでこの学校を選んだようなもの。
だから受験の時まで知らなかった。
春白高校の隣に、黒夏高校という“男子校”があることを。
「なんでそんなこと聞くの?」
「じ、実は…
さっき言った、親切にしてくれた人って、
たぶん、黒夏の人で…」
制服を見て、たぶんそうだろうと思ってた。
おまけにヤンキーだったから…それはほぼ確実。