金髪くんの一途な愛


親切な人ではあったけど…

毎日ヤンキーに絡まれるのは嫌だなぁ…。


「明日からは対策するよ」


酔ってもいいように、タオルも用意してビニール袋とかも持っておこう。

……あ、そういえば。


「みくる…あのさ」

「ん?」

「……黒夏(くろか)高校に知り合いとかいたりしませんか…?」

「黒夏に知り合い?
いや、いないけど」

「だ、だよね〜…」


みくるにそう言われ、ずぅん…と気が重くなった。


私の通う春白(はるしろ)高校は女子校。

真っ白の制服は上品で、学年ごとに色が違うリボンがアクセントになってて、私は制服のかわいさでこの学校を選んだようなもの。

だから受験の時まで知らなかった。

春白高校の隣に、黒夏高校という“男子校”があることを。


「なんでそんなこと聞くの?」

「じ、実は…
さっき言った、親切にしてくれた人って、
たぶん、黒夏の人で…」


制服を見て、たぶんそうだろうと思ってた。

おまけにヤンキーだったから…それはほぼ確実。


< 4 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop