金髪くんの一途な愛


『日菜も大変だった』


みくるが、私のことも言ってくれた。

そんな風に思ってもらえることなんて、ないと思ってた。


私はいつも、『いない存在』でいなきゃいけなかったから。


「……僕のせいで一番大変だったのは、日菜だ。
だからありがとう。日菜を否定しないでくれて」


『日菜はいい友達をもったね』とお父さんが私の頭を撫でる。

涙ぐむ私を見て、


「日菜、泣いてるの?」


今度はみくるが私の頭を撫でた。


「日菜はね…いつも独りだった。
僕が日菜を、独りにさせてしまっていた」

「え…?」

「子どもがいることを隠していたからね。
僕と一緒にいられる時間は短かった。
それから…僕と一緒のときは、絶対に名前を名乗るなと言ってきた」

「……どこから漏れるか、わからなかったから…?」

「……そうです。
僕が叩かれても構わない。
だけど、日菜が僕のせいで疎まれるのは嫌だった」


わかってる。

お父さんが私のためを想ってしてくれてたことも。


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