金髪くんの一途な愛
「日菜のお父さん、神谷蓮司だったんだねー…」
「うん…ごめんね、黙ってて」
「それは全然!普通言えないと思うし、日菜が悪いなんて言わないから。
あー……あたしの話になっちゃうんだけどさ、
日菜とは状況が違うけど、
親と一緒にいられない寂しさとか、
同級生と本当の意味で友達になれなかった気持ちとか…わかる。あたしもそうだったから…」
「え…?」
「あたしの親、結構大きい会社の社長で
あたしはその娘って知られてたからさ…近付いてくる人がみんな、お金目当てじゃないかって信用できなかったの」
「みくる…」
みくるは私とは逆で、
知られていたから苦労したんだ…?
「……あたしは親からの愛情を感じたことはあんまりない。
いや、嫌われてたとかじゃないんだけどね!?
授業参観とかさ…いつも来るのはばあやだったから」
両親に来てほしくても、仕事の邪魔しちゃいけないって我慢してたんだね。私もそうだった。
みくるもたくさん、親の都合に振り回されてたんだね…。
「両親だって休みのときはたくさん構ってくれたんだけど、
でも、やっぱりばあやとの時間が1番長かったからさ……おばあちゃんっ子になっちゃうよね」
「今のみくるをつくってくれたのは、きっと、おばあちゃんだけじゃなくて両親のおかげでもあるよね。
私はみくるの両親にもおばあちゃんにも、こんな優しい人に育ててくれてありがとうって言いたいな」