金髪くんの一途な愛


「は〜〜いっぱい喋っていっぱい食べたね〜!」


日が傾き始めた頃、2人で喫茶店を出た。


「うっかりサンドイッチ注文しちゃったね」

「あっ、その分のお金払うわ!蓮司さんのお金だったし…!」

「いいよいいよ。お父さんがゆっくりしてきなって置いてったんだし、返せなんて言わないから」


お父さんがもしそんなケチいこと言っても私から立て替えとくし…みくるに払えっていうのは申し訳ない。(元はと言えばお父さんが勝手に学校に来たせいだし)


「ていうかさ、
私、みくるがお父さんのファンだったことに驚いたんだけど」

「なんで?ファンだと変かな?」

「お父さんも言ってたけど、
お父さんがブレイクしてた頃って、私がまだ幼稚園の時とかだよ?
その頃にファンとかいう感覚、まだなくない?」

「あたしも好きだったけど、
ばあやが好きでさ。
人気が落ち着いて来たあとも、ばあやと一緒にドラマとか見てたんだー」


なるほど…

おばあちゃんの年代にも好いてもらえてたんだ…。

正直、お母さん世代からの人気しかないと思ってた。

お父さんのことナメてたかもしれない。ごめんなさいお父さん。


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