金髪くんの一途な愛
些細なことでも
「ただいまー」
「おかえり…ってどうしたのそのぬいぐるみ」
ぬいぐるみを抱えて家に帰ったら、
お母さんがびっくりしてた。
「帰りにもらっ…」
もらったって言ったら後でお父さんから『誰からだ!?』って聞かれそうだったから
「ゲームセンターで取った」
って、私が取ったわけじゃないけどそういうことにしておいた。ごめんね佐々木くん。
「かわいいぬいぐるみね〜。
リビングに置いとく?」
「やだ。私の部屋に置く」
せっかく佐々木くんがくれたやつだもん。
お父さんに触られるようなとこに置いときたくない。
「……日菜、
本当はそれ男の子にもらった?」
「!!」
お母さんにコソッと耳打ちされて、
お母さんにはお見通しか…と思って『うん』と頷いた。
「やっぱり。
日菜、ゲームセンター苦手だものね」
「ゲームセンターなんてほとんど行ったことないもん」
「その日菜がそんな大きなぬいぐるみ取ってこれるはずないもの」
「だって、行けなかったじゃん」
「うん、ごめんね」
しまった。
お母さんを責める言い方しちゃった。