金髪くんの一途な愛


「……責めてないよ。ごめんなさい」

「いいのよ。
日菜は気を遣いすぎてるからね。
怒ってもいいからね」

「怒っても今までの時間が返ってくるわけじゃないから」


今までの時間が、全部無駄だなんて思ってない。

ゲームセンターなんてこれからいっぱい行けばいい。

このぬいぐるみは、佐々木くんがくれた、これからの楽しみの1つ。


「それに、怒ってないよ。
佐々木くんといると、楽しいことが増えるから」


佐々木くんのおかげで電車も苦手じゃなくなったし、あの金髪を探すのは楽しい。

私がゲームセンター得意だったら
佐々木くんから貰わずに自分で取ってたかも。

でもそれって、一人で遊んでるだけでつまらない。


「今度、佐々木くんに教えてもらおうかな」

「佐々木くんっていうの?
タオルの子?」

「うん」

「お父さんには黙っといてあげるね」


部屋で仕事してるお父さんには聞こえないように、お母さんは人差し指を立ててニコッと笑った。


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