金髪くんの一途な愛


お見合いの『ご趣味はなんですか?』と同じくらい突拍子もなく聞いてしまった(お見合いしたことないけど)。
なんだコイツ?って思われたかも…;


「あ…の、お礼するのに
嫌いじゃないかなって思って…
だから、好きな食べ物とか知りたいなって」


言い訳がましい。いや、言い訳なんだけど。

こんな理由つけないと、佐々木くんは私には教えてくれないと思うし…。


「菓子系は何でも食うよ。
あーでも冒険してんなーって味はあんま好きじゃねーかな。期間限定とか書いてあるやつとか」

「……え、『期間限定』苦手なんだ?」

「いや、一回は食うよ?
けど、『あ、これリピートしたいな』って思ったことない」

「たしかに。
結局シンプルなやつが一番美味しいよね」

「それなー」


ニッと歯を見せて笑う佐々木くん。

……子どもみたいに笑うんだね。

ちょっとかわいい。


「……で、その高級菓子は珍しいやつ?」

「え?
あ、これは違うよ。
(たぶん)素材にこだわったシンプルなやつ!」


カバンを指して眉間にシワを寄せた佐々木くんに、

これは大丈夫だよ!と伝えておいた。



< 55 / 226 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop