金髪くんの一途な愛
お見合いの『ご趣味はなんですか?』と同じくらい突拍子もなく聞いてしまった(お見合いしたことないけど)。
なんだコイツ?って思われたかも…;
「あ…の、お礼するのに
嫌いじゃないかなって思って…
だから、好きな食べ物とか知りたいなって」
言い訳がましい。いや、言い訳なんだけど。
こんな理由つけないと、佐々木くんは私には教えてくれないと思うし…。
「菓子系は何でも食うよ。
あーでも冒険してんなーって味はあんま好きじゃねーかな。期間限定とか書いてあるやつとか」
「……え、『期間限定』苦手なんだ?」
「いや、一回は食うよ?
けど、『あ、これリピートしたいな』って思ったことない」
「たしかに。
結局シンプルなやつが一番美味しいよね」
「それなー」
ニッと歯を見せて笑う佐々木くん。
……子どもみたいに笑うんだね。
ちょっとかわいい。
「……で、その高級菓子は珍しいやつ?」
「え?
あ、これは違うよ。
(たぶん)素材にこだわったシンプルなやつ!」
カバンを指して眉間にシワを寄せた佐々木くんに、
これは大丈夫だよ!と伝えておいた。