金髪くんの一途な愛


学校の近くまで来たら、

今日は偶然にも、みくるが校門をくぐるところに出くわした。


「みくるー!」

「おー日菜、おはよ…って、金髪くんも」

「一緒で悪かったな」


みくるに睨まれた佐々木くんは『じゃ俺はここで』と手を振ってさっさと黒夏の校門をくぐって行ってしまった。


「……みくる、
佐々木くん悪い人じゃないのに
いきなり睨むのはちょっと失礼だと思うよ」


いくら黒夏の人のガラが悪いからって、あからさまに睨んだりするのは、佐々木くんに失礼だと思う…。


「え、あたし睨んでた?
ごめん、今日コンタクト忘れて」

「え?」

「金髪なのは認識出来たからたぶん昨日の彼なのはわかったけど、顔ハッキリ見えなかったから。ごめんね」

「あ……そうだったの」

「昨日は嫌な態度とっちゃってたけど、
あたし、彼は悪い人じゃないって思ってるからさ」


たしかに、昨日の帰り、佐々木くんとみくるは睨み合ってた。いや、佐々木くんは困ってただけかな?

それでいきなり『悪い人じゃない』って…どういう心境の変化?

もしかして、

英二さんがベラベラ喋っちゃったとか…?


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